⼦供たちの将来に向けて
全国美術部門代表 新井 浩 (福島大学)
部門会員の皆様には、日々美術教育の進展にご尽力いただいているところと存じます。代表任期を半ば過ぎて振り返れば、皆様に支えられることが多かったことが思い起こされます。皆様に感謝申し上げるとともに、これからのさらなる連携と課題解決に向けたご協力をお願い申し上げ、残り9ヶ月余りの任期を全うしたいと存じます。
さて、昨年度金沢大会部門総会において、部門会費を徴収しないことが了承され、今後の運営は日本教育大学協会からの配分金とこれまでの会計残額でなされることとなりました。部門の主な業務は部門協議会運営、全国大会支援、学校美術教育支援委員会活動、地区会との連携、全国理事会運営、会報・名簿発行等が主となっており、これらについてスリム化・WEB化で対応することとなります。ご理解とご協力をお願いいたします。
部門と大学美術教育学会を分ける課題に関しては、全国大会開催や地区会との関係を重視しつつ三学会連携を視野に変革を進める必要があります。国立大学の視点で美術教育を考えられる部門と、多様な視点で美術教育を考える学会のそれぞれが機能してこそ、現実を踏まえて将来に資する美術教育の射程を持ち得るものと考えます。会員の皆様からもお考えをお聞きしたく存じます。
さて、学習指導要領の改訂に向けて令和6年末に文部科学大臣から諮問が出されました。教育課程特別企画部会の審議等、注意深く見守り情報共有すべき時期に入っています。その一方で、全国美術部門では美術教育に関わる諸団体とともに「全日本美術教育会議」を組織し、改訂に向けた提言をまとめ、この会報が届くころには「次期学習指導要領における美術教育充実のための提言書」として関係する機関に送られていることと思います。
諸団体を代表する方々との真摯な話し合いの中で、子供たちに何が必要なのかをまとめたものとなっています。部門を代表して私からは全国大会や各地区会での討議や研究発表を活かす形で提言まとめに臨みました。部門webページにも掲載されますのでご一読ください。
最後になりますが、こうした機会に立ち会って感じたことを記して挨拶とします。私たちは美術や美術教育の分野に身を置く関係上、その立場から物事を考えがちです。しかし美術や美術教育のアウトラインに固執していては社会の中で存在感を発揮することは簡単ではありません。栄枯盛衰は世の常ですし、歴史上、諸先輩が身をもって示しています。私たちが共有すべきは、この国の将来を生きる子供達にとって何が必要なのか、という議論の出発点です。その視点から考え、何を成し得るかを幾度となく捉え直してこそ美術教育は活かされ輝きます。皆様の益々の研究成果と進捗に期待し、精一杯の声援を送り挨拶といたします。