令和4年度 代表挨拶

全国美術部門協議会の活性化を
全国美術部門副代表  新関 伸也 (滋賀大学)

 全国美術部門代表に就任した滋賀大学新関伸也です。よろしくお願いします。冒頭から恐縮ですが、毎年、新規会員向けに案内した部門代表のお知らせを以下に再掲することで、挨拶に代えさせていただきます。
 「日本教育大学協会は、全国の国立大学法人の教員養成系大学・学部が機関加盟して組織されている団体で、相互協力や情報交換によって教員養成の質的向上と教育全般に関する学術研究の進展を図り、我が国の教育振興に永く寄与してきています。同協会には、教科内容ごとや附属学校種別など、様々な研究部門を設けていますが、『全国美術部門』は、全国の教員養成系大学・学部の美術科全教員によって組織され、最も活発な研究協議を続けている部門です。毎年1回の全国協議会開催のほか、全国9地区の地区協議会もそれぞれに開催されており、美術科教員共通の問題の研究協議などの貴重な場として、多くの参加者を見ています。また、『全国美術部門・会報』を年1回発行しているほか、会員名簿も編集しており、277名の会員(2022年4月現在)相互の情報交換などに活用されています」
 以上のような趣旨のもと「全国美術部門」協議会が開催されており、この協議会の場での研究発表会が発展するかたちで創設されたのが「大学美術教育学会」です。今日まで「全国美術部門」と「大学美術教育学会」が共存関係、表裏一体として歴史を重ねてきました。前者は国立大学法人教員養成大学・学部に所属する美術系教員は機関加盟となり、本人の意志にかかわらず自動的に部門会員となりますが、後者は、現在個人の意志によって加入する学会であります。いわば閉じられた部門組織と開かれた学会という矛盾した形態のため、「部門に加入したくない」という教員もおり、説明に苦慮したこともありました。
 さて、全国美術部門の基幹組織は、Ⅴブロック9つの地区会にあります。あらためて前会報55号に掲載された「令和2年度地区会報告」を読み直すと国立教員養成大学・学部の実態がたいへんよくわかる報告内容になっています。それぞれ大学・学部の大学事情だけでなく、都道府県に特有の教育事情や課題、教員採用実態も読みとれます。本来であれば、地区全国委員の先生方から、各地区会で出た話題や課題を発表して頂き、情報交換しながら、課題解決に向かう知恵を出し合う場が協議会であるはずです。かつてはその協議によって出された要望などを教育大学協会や文部科学省に提言要求する組織であったことをあらためて確認した次第です。
 これら全国美術部門の協議会を活性化するために、国立大学の本来の役目を再確認しつつ、新たな協議会企画を試みたいと考えています。また、部門・学会も含めた運営を支える総務局の若返りや事務引継も目下の課題となっています。