平成26年度 代表挨拶

『美術部門代表就任のご挨拶』

平成26年度全国美術部門代表  増田 金吾(東京学芸大学)

 

 この度、「日本教育大学協会全国美術部門」代表に就任しました増田金吾です。大嶋彰前代表の後を継いで、「本協会関係大学における美術教育の進歩発展を図ることを目的とする」(美術部門規程)ことを実行するために、日本教育大学協会(以下、教大協)全国美術部門を、会員の皆様と共に、また本部門の研究組織として出発した大学美術教育学会とも適度な距離を取りつつ協力し、より充実した組織を構築して行きたいと思います。

 大学は、文部科学省から中期目標・中期計画、ミッションの再定義を提案され、それに数値を伴うエビデンスが求められて、その数値目標達成のために先生達は大学から檄を飛ばされています。一方、教員養成系大学や教員養成学部は、教員を送り出す上で今後ますます量的縮小を図りつつ、質的向上を図らねばならないという厳しい状況にあります。

 こうした中で、教大協美術部門の果たすべき役割は大きく、美術教育(とりわけ美術科教育)がいかに重要で、また我が国の教育振興に貢献しているかを説明しなければなりません。そして、美術教育の実践にいかなる方法がベストであるかを考える必要があります。その一例が、特別課題検討委員会がまとめつつある教科内容学の検討です。検討委員会の委員は、ここで論議されて来たことがらを全部門員に伝え、また部門の会員はそれを受けて様々な場面で活用して行く必要があろうかと思います。

 ところで、教大協は、ここ5年間に12件もの要望書を文部科学省に提出しています。それは、教大協のホームページや会報等で見ることができます。また、美術部門も教大協に要望書を提出しています。ここ5年間で3回、平成24年1月に「中学校美術科担当専任教諭の適正配置に関する要望書」と題して提出し、その後も、同じ内容ですが、24年12月、25年月12月と出しています。これだけ提出しているにもかかわらず、実効性は明確ではありませんが、行方を注視しつつ、今後も活動は続けて行くべきだと私は思います。会員の皆様の声をお聞かせ頂ければ幸いです。

 これらの様々な活動を円滑に行って行く上で、「事務局(総務局)」が重要な役割を果たします。長い間、部門委員長所属大学に事務局が置かれてきました。しかし、大学教員の任務の多様化・大量化に伴い、その継続が困難となり、平成20年、2期目の橋本光明委員長就任時に、委員長所属以外の大学に総務局長を置き、かついくつかの大学の総務部委員(当時)に事務を分散化する制度が発足しました。その後、藤江充代表(この時、委員長の名称は代表と改称される)、大嶋代表へと引き継がれましたが、大学教員の勤務校での事務負担増、民間事務員一人への集中化に伴う過重性等が問題となり、大嶋代表は事務の一部を会社に委託するアウトソーシングという形を発案、実行されました。今後は、この体制を軌道に乗せ、更に円滑な部門運営を図って行かねばなりません。

 会員の皆様のご支援とご協力をお願いしつつ、就任のご挨拶といたします。