平成24年度 理事長挨拶

『理事長就任のご挨拶』

 

平成24年度大学美術教育理事長  大嶋 彰(滋賀大学)

 

 この度は大学美術教育学会理事長への就任要請をいただき、これまでさまざまな形で学ばせていただいたことへのご恩に報いるためにも、微力ではありますがお引き受けすることにいたしました。藤江充前理事長の後任を務めさせていただくのはまことに荷の重い話ですが、橋本光明前々理事長が作られた新しい体制を引継ぎながら、地区全国理事の方々をはじめ会員諸氏のご協力のもとに、美術教育の多難な時期を少しでも前進するよう務めて参りたいと思います。

 また、今年度執行部新役員として新関伸也副理事長、相田隆司総務局長、芳賀正之学会総務部長、安東恭一郎国際交流委員長の各氏に就任いただき、岩村伸一副理事長(学会誌委員長)、総務局、事務部とともに、まずは緊密な組織体制を目指していきたいと思います。そして、他学会との連携、韓国との研究交流、学会誌編集作業、学会誌のアーカイブ化等々、当面の課題に取り組みたいと思います。

 さて私は現在、滋賀大学で絵画を担当しておりますが、本学会の会員には私のような教科専門の立場で入会しておられる方も多いと思います。日本教育大学協会全国美術部門の研究組織として出発した本学会は、幅広い専門を擁するという点、美術と教育における唯一の学会だと思います。このことが本学会の優れた独自性にもなっており、同時に組織運営の難しさにも繋がっています。しかし、今日の教育界における大きな課題、例えば教員免許制度の修士レベル化の課題などをみても、実践的な指導力向上に資するため「学習科学等実践的な教育学研究の推進」が求められていることから、教科と教職を架橋する新たな挑戦が始まっています。そのような意味では、ものや表現に関わる美術教育は、学習科学としても具体的、質的に可視化、理論化できる可能性に満ちた教科であると思われます。先輩諸氏によって築き上げられてきた美術教育の理念が、現実の困難さの中に埋没させられることを防ぐためにも、多様な専門や立場を抱える本学会の役割は決して小さくないのではないかと考えています。

 また本学会は、平成22年東京大会において初めて私立大学の武蔵野美術大学で研究発表大会が開催され、開かれた学会として新たな一歩を踏み出しました。昨年度は、東日本大震災直後にもかかわらず宮城教育大学の懸命なる熱意によって大会が開催され、本学会の底力を感じさせていただきました。今後とも会員の皆様のご協力のもとに、本学会独自の研究と社会的な役割の進展を願って、就任のご挨拶といたします。

 

(大学美術教育学会 「会報No.27」 平成24年9月発行)